天中殺って漢字からして怖いイメージですけど、良くない事が起こるのでしょうか?
でも有名人の方とか、「天中殺中に大成功!」なんて話も聞きますし、一体どっちが本当なんでしょうか?
まず最初に、
「天中殺はむやみに怖がるものではない」
と言う事をお伝えしておきます。
良い事が起こったり、悪い事が起こったりするのはどうしてなのか?
そのカラクリも詳しく解説致しますので是非お読みくださいね。
まず最初に天中殺についての解説をしたいと思います。
天中殺の解説を飛ばして天中殺の事例から読みたい方は、こちらをクリックして下さい。
- 天中殺で大成功するケースは勿論あるが、天中殺が明けたら元の宿命に戻らなければならない
- 天中殺で運気が落ち込む場合もあるが、その場合は宿命通りに生きていない場合が多い(お知らせ現象として捉える事)
- 天中殺期間中は基本的に受け身で過ごせば禍を避けられる(でも人間だから欲がある=難しい)
では1つずつ解説していきます。
そもそも天中殺とは何なのか?
干支は天干と地支から成り立っています。
例えば甲子ですと天干が「甲」地支が「子」です。
これらが順番通りに仲良く手を繋いで出来上がるのが1つの干支です。
そしてその干支は10個セットで6種類(子丑天中殺・寅卯天中殺・辰巳天中殺・午未天中殺・申酉天中殺・戌亥天中殺)のグループに分類されます。
10個セットで6種類のグループなので、10×6=60。
干支は60種類存在します。
戌亥天中殺 | 1:甲子 | 2:乙丑 | 3:丙寅 | 4:丁卯 | 5:戊辰 | 6:己巳 | 7:庚午 | 8:辛未 | 9:壬申 | 10:癸酉 |
申酉天中殺 | 11:甲戌 | 12:乙亥 | 13:丙子 | 14:丁丑 | 15:戊寅 | 16:己卯 | 17:庚辰 | 18:辛巳 | 19:壬午 | 20:癸未 |
午未天中殺 | 21:甲申 | 22:乙酉 | 23:丙戌 | 24:丁亥 | 25:戊子 | 26:己丑 | 27:庚寅 | 28:辛卯 | 29:壬辰 | 30:癸未 |
辰巳天中殺 | 31:甲午 | 32:乙未 | 33:丙申 | 34:丁酉 | 35:戊戌 | 36:己亥 | 37:庚子 | 38:辛丑 | 39:壬寅 | 40:癸卯 |
寅卯天中殺 | 41:甲辰 | 42:乙巳 | 43:丙午 | 44:丁未 | 45:戊申 | 46:己酉 | 47:庚戌 | 48:辛亥 | 49:壬子 | 50:癸丑 |
子丑天中殺 | 51:甲寅 | 52:乙卯 | 53:丙辰 | 54:丁巳 | 55:戊午 | 56:己未 | 57:庚申 | 58:辛酉 | 59:壬戌 | 60:癸亥 |
干支は陽干と陽の支が必ずセットになります。
もちろん陰干は陰の支とセットです。
例えば甲木(陽干)と丑土(陰の支)はセットにはならないと言う事です。
甲丑という干支は存在しません。
ではどうしてそれぞれのグループに「戌亥天中殺」とか「子丑天中殺」とか名前があるのですか?
それはどんな決まり事でそうなっているのでしょうか?
まず下の画像をご覧ください。
戌亥天中殺グループの解説画像です。
十干は全部で10種類あります。(甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸)
十二支は全部で12種類あります。(子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥)
甲と子が1番目のペアで、2番目にに乙と丑のペア…というように、十干の順番通りにお互いに手をつなぎ合ってペアを作っていきます。
そうしますと、十干は10種類で十二支は12種類ですから、当然ペアになれない十二支が発生します。
上の画像の通りに、「戌」と「亥」は誰とも手を繋げませんでした。
「戌」と「亥」だけがペアを組めない不自然・不完全な状態です。
上記の理由からこのグループを「戌亥天中殺」と呼ぶのです。
ではペアになれなかった「戌」と「亥」はずっとひとりぼっちのままなのでしょうか?
では次のグループ、申酉天中殺グループを見てみましょう。
あっ、一番上で「甲戌」と「乙亥」でペアになれていますね!
良かったぁ〜。
ペアになれなかった十二支さんは、次のグループの1番目と2番目でペアになれるんですね!
そうなると今度は、最後の癸とペアになるのが未ですので、「申」と「酉」がペアになれないんです。
だから「申酉天中殺」と言うんですね。
これが全てのグループに共通する決まり事になります。
天中殺の仕組みがよ〜くわかりました!
天中殺の分類(後天運天中殺と宿命天中殺)
次は天中殺の分類についてです。
天中殺は大きく分類すると、「後天運天中殺」と「宿命天中殺」の2つに分類されます。
後天運天中殺
後天運天中殺は、例えば戌亥天中殺の人に戌年と亥年が回ってくると、年の天中殺になります。
天中殺は必ず2種類がセットになっていますので、2年間のあいだ天中殺期間に該当します。
例えば2024年は甲辰年、2024年は乙巳年ですから、辰巳天中殺グループのある方は2024〜2025年の2年間、天中殺期間に該当します。
年だけでなく、月にも干支があります。
子月は12月・丑月は1月ですので、子丑天中殺の方は毎年12〜1月の2ヶ月間が天中殺に該当します。
(旧暦の月の数え方なので、現代の暦の数え方とは多少ズレます)
月の天中殺は年が変わっても毎年同じですから、覚えやすいです。
子丑天中殺の方は、毎年お正月前後は要注意と言う事ですね。
そして日にも干支があります。
60干支で一巡しますので、おおよそ2ヶ月のサイクルで毎日干支が変わります。
12日の中で2日は誰でも天中殺の日に該当するという事になります。
日の天中殺は期間も短いので、それほど重要視されなくても大丈夫ですが、大切な日(結婚・引越しなど)を決める場合はやはり考慮された方がよろしいですね。
10年間のスパンで運気が変わる大運にも天中殺があります。
「大運天中殺」と言います。
こちらは20年間(人によっては40年とか、もっと長い場合もあります)続きますので、相当長い期間を天中殺の状態で過ごすことになります。
年・月・日の天中殺と大きく違うのは、年・月・日は誰でも等しく受ける気が同じですが(辰年には辰年の気が回りますので、人によって違うと言う事はありません)、大運は1人1人違う気が回っています。
ですから生涯大運天中殺を経験されない方もいらっしゃいますし、一生殆ど大運天中殺…という方もいらっしゃいますので、個人の差がとても大きいのです。
宿命天中殺
宿命天中殺(略して宿命中殺と言います)は、自分の宿命の中に持っている天中殺です。
ですから後天運天中殺のように、「その期間だけ」のものではなく、一生お付き合いしていく天中殺という意味合いを持ちます。
後天運天中殺は「年・月・日」につきましては誰にでも巡ってきますが、大運天中殺と宿命中殺は該当しない方と該当する方に分かれます。
- 生年中殺
- 生月中殺
- 生日中殺
- 宿命二中殺
- 宿命三中殺(宿命全中殺)
- 互換中殺
- 同一中殺
- 相互中殺
- 日座中殺
- 日居中殺
こんなに沢山種類があるんですね。
全部説明しているととても長い記事になってしまいますので、今回は詳細は割愛しますがこれだけ種類があると言う事を何となく覚えておかれて下さいね。
天中殺の意味合い・仕組み
天中殺の仕組みは分かったのですが…、じゃあ相手がいないという事は、具体的にどんな事が起こるんですか?
算命学では、天干は「空間」、十二支は「時間」を意味します。
私たちが存在している現実は、空間も時間も当然存在します。
どちらか一方が欠けていても、現実の世界として成り立ちません。
ですが天中殺は先ほど学んだように、手を繋ぐパートナーが存在しない不自然な状況を意味します。
(地支と手を繋ぐ天干が存在しない)
具体的に言うと「不自然・不完全・異常・消滅」そういった意味合いが含まれます。
早い話、普通じゃない状況って事ですね!
これはよく言われる事ですが、
「宿命中殺を持つ人と持たない人は、住む世界が違う」
というのはこういった意味合いから来ているんですね。
では天中殺をイラストで表してみましょう。
これは天中殺ではない通常の時期を表しています。
透明の筒はその人の宿命のトンネルです。
このトンネルの中で運気が上がったり下がったりしますが、筒の中でしか上下出来ませんのでその範囲でのアップダウンになります。
ある意味「守られている」って感じですね。
そして上のイラストが天中殺期間中の宿命のパイプです。
あっ、天中殺期間中はパイプがなくなってしまいましたね。
天中殺期間はパイプがなく、宇宙空間に飛び出してしまう事が出来るんです。
「普通ではありえない成功をした」
(天井がないので無限に稼げる…など)
「人生どん底レベルの悪い事が起こってしまった」
(床もないのでとんでもない額の借金が出来てしまった…など)
等の通常ではありえないレベルの出来事が起こったりするんですよ。
う〜ん、良い事の場合は嬉しいけど、悪い事の時は困っちゃいますね…。
ところが、です。
良いことが起こった場合も、悪いことが起こった場合も、天中殺期間が終わるとパイプの切れ目がなくなって、通常の1本の筒状のパイプに戻ります。
そうなるとパイプが元通りになるまでに、元いた場所(パイプの中)に急いで戻らないといけない訳です。
じゃあ戻れなかった場合はどうなりますか?
厳しいようですが、戻れない場合は淘汰されると観ます。
与えられた宿命を消化しない人物は、宇宙から存在価値がないと見なされます。
えーっ、そうなんですね…。
じゃあ遠くまで行ってしまったら戻るのが大変って事ですよね…?
大運天中殺なんか20年もあるんですから、行こうと思ったらとんでもなく遠くまで行けてしまいますよね…?
そうですね…。
そういう考え方も勿論ありますが、20年ありますから戻るまでの時間もたっぷりあるとも言えるんですよね。
むしろ年の天中殺(2年間)で大成功してしまった時の方がやっかいです。
たったの2年しかありませんから、パイプが閉じてしまう時間もとても短い訳です。
じゃあ月の天中殺も日の天中殺も、同じくパイプが外れるって事ですか?
そうなりますね。
でも月と日では時間が短すぎて
「そんな短期間に大成功って言ってもね…?」
って感じだと思いますけどね。
でも注意するに越した事はないですね。
天中殺の正しい過ごし方
じゃあ…、具体的に天中殺の期間はどうやって過ごせば良いのでしょうか?
天中殺期間中は「運勢がお休みしている期間」なんですね。
ですから天中殺期間に何か新しい事を始めたとしても…、天中殺の間は上手く行っていたとしても天中殺が明けると徐々に現実に戻されます。
「夢の中で成功を収めてもそれはあくまで夢の中の出来事であって、起きたら何も残らないよ?」
と言うとちょっと分かりやすいかなと思いますが、いかがでしょうか?
夢の中で大金を掴んでも、泡銭ですよね〜。
じゃあ何もしないで過ごせば良いのでしょうか?
それもなかなか難しそうですけど…。
「天中殺の期間は勉強するのに向いている」
と聞いた事はありませんか?
天中殺の禍は、主に現実的な事に出ます。
その最たるものはお金ですかね…。
現実面で欲を出すのが一番良くありません。
運勢が眠っている状態ですから、アウトプットする(自ら能動的に動く)には向かない時期なんですね。
ですが勉強はインプットですから、天中殺の期間にすると大変はかどります。
充電期間という事なんですね。
でも〜、お勉強しかしちゃダメなんですか…?
(ツマンナイなぁ〜)
お休み期間中ですから、遊ぶのにも向いているんですよ。
旅行に行ってリフレッシュしたり…、趣味に没頭したり。
新しい趣味を始める分には全く問題ありません。
ただし…その趣味を仕事にしようと思っているなら(趣味でお金儲けしようと思っているなら)、アウトプットするのは天中殺期間が明けてからが宜しいですね。
天中殺って遊びを推奨する時期なんですね!
何だかあまり怖いものって意識がなくなってきました♪
天中殺前からやり始めた事でしたら継続されて構いません。
むしろ「いつものペースを崩さない」のがポイントです。
受け身で過ごせば大抵の禍が避けられます。
大運天中殺期間に起こった事象を探る(松島トモ子さんの場合)
「ミ〜ネラ〜ル麦茶♪」でお馴染みの松島トモ子さんですね!
松島さんは日干支庚辰の女性で、申酉天中殺ですね。
そしてご自分の天中殺の「酉」を年支にお持ちですから、生年中殺に該当します。
大運なのですが、初旬と2旬目にご自身の天中殺の干支「申」と「酉」がありますね。
それなのに天中殺期間がズレているようですが…?
これは初旬条件に該当するので、大運天中殺が移動しているんですね。
こちらについては別の機会に解説致します。
40年間も大運天中殺なんですね。
長い〜。
調べてみたら、松島さんは1949年、つまり4歳の頃にデビューされているんですね。
芸歴が80年近くあるってすごいですね…。
4歳でデビューされていますから大運の初旬も巡っていない時期です。
当然天中殺期間中のデビューではありませんから、禍はありませんね。
松島トモ子さんといえば…、ライオンのあの事件じゃないですか?
あの事件は本当に衝撃的でしたよね…。
ライオンとヒョウに立て続けに2回も襲われて無事(怪我は勿論なさいましたけど)というのは、インパクトがありすぎましたよね。
1986年に起こった事故だったそうですが、ばっちり大運天中殺の期間中の出来事でした。
それってやっぱり天中殺だから悪い事が起こってしまったんですか…?
一見するとそう思えるかもしれませんが、別の見方もできるんですよ。
事故が起こった時の大運は「丁亥」でした。
天干の丁火は松島さんにとって第一守護神になります。
ただしご自分の宿命の中では月支にあって使う事は出来ません。
後天運で巡ってきた時だけ使えます。
しかも地支の亥は未と半会して木性に変化します。
すると丁火の燃料になります。
この大運の時期は調候の第一守護神と第二守護神に恵まれて、本当に運気の良い大運だったのです。
つまり…それだけ運勢が良い時期だったので、あれだけのアクシデントに見舞われても後遺症もなく復帰出来た…と言えるのでしょうか?
そうだと思いますよ。
普通だったらあれだけの事故、亡くなっていてもおかしくありませんよね。
非常にまれなケースすぎて、ニューヨークの学会で取り上げられたらしいですしね…。
守護神に恵まれて、なおかつ大運天中殺期間中の出来事でしたから
「普通では助からないような状況だったのに助かった」
つまりある意味不自然すぎる状況だった(その結果助かった)…というわけです。
しかもよくよく見たら天将星と天南星持ちで最身強ですね。
松島さんご自身もライオン(野生動物の頂点)ですね!
強いわけなんだわ〜。
それともう1点、中殺に関する事ですが…。
松島さんは生年中殺をお持ちです。
生年中殺は親中殺の意味合いがあります。
自分が親を中殺していますから、親が不自然な状況になると観ます。
また親を頼る事が出来ません。
そして親が不自然な状況であればご自分としては宿命通りなので、運気が上がるんですね。
親が不自然な状況って、一体どんな状況ですか…?
両親が揃って元気で健在というのが普通の状態と観ます。
その逆という事ですから、離婚や死別で親が片方いないとか、親が病気などで子供の面倒を見られない状況とか、親が何度も再婚を繰り返すとか…そんな感じですね。
松島さんのご両親はどんな状況だったのでしょうか?
お父様は戦時中にシベリアに抑留されて、収容所で亡くなったそうです。
松島さんはお母様と2人で日本に戻られました。
そしてお母様は100歳で天寿を全うされたそうです。
きっと宿命通りに生きてこられたんでしょうね。
お父様の分まで頑張って一生懸命、松島さんと生きてこられたんだと思います。
大変な状況を乗り越えていらっしゃったんですね…。
そしてここからは算命学の勉強として、の話になるのですが…、松島さんにとってお父様が早くに亡くなられた事は、生年中殺を持った松島さんにとっては「宿命の消化」という意味では「助かった」と観るんですね。
ええっ?
親が亡くなるなんて、普通は起こってほしくない出来事ですよね…。
一般論では勿論そうなります。
でも生年中殺を持った方は、
「親を不自然な状態にする」
のが宿命通りなんですね。
じゃあ生年中殺を持った方は、みんなご両親がいない方が良いって事になっちゃうんですか…?
算命学的にはそうなりますね。
とは言っても子供を小さいうちに手放すなんて事はなかなか出来ない事だと思いますから、せめて学生でなくなったらすぐにでも独立させた方が良いという事になりますね。
つまり…松島さんは宿命通りに生年中殺も消化されていたので、天中殺も陽転した結果…、アクシデントからも守られたって事なんでしょうか?
私はそう思っています。
宿命通りに生きている場合、天中殺の禍は殆ど出ないと言われています。
禍が出ないばかりか、大成功する事だってある訳です。
- 天中殺で大成功するケースは勿論あるが、天中殺が明けたら元の宿命に戻らなければならない
- 天中殺で運気が落ち込む場合もあるが、その場合は宿命通りに生きていない場合が多い(お知らせ現象として捉える事)
- 天中殺期間中は基本的に受け身で過ごせば禍を避けられる(でも人間だから欲がある=難しい)
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